瓦屋根で起こる雨漏りの原因と対策

雨漏りが起こってしまうと、水が浸みて天井や壁にシミができたり、家の内部構造が劣化したり、シロアリが発生しやすくなったりと、さまざまな不具合が発生するおそれがあります。そのため、雨漏りの原因を知ったうえで、なるべく早く対策を行うことが必要です。今回は、瓦で葺いている屋根で雨漏りが起こる原因と対策について解説します。

目次

古い瓦屋根の家が雨漏りする原因と対策

築40年以上の瓦屋根の家の場合、瓦の下に土を敷く土葺き工法と呼ばれる工法が一般的でした。土は瓦を固定するだけでなく、雨漏りを防ぐ役割も果たしています。さらに、その土の下には杉板が敷かれており、土から染み出した雨水が家の躯体にしみ込むのを防ぐ構造になっています。しかし、年月が経つと土は流れて出てしまいます。そうなると、杉板に直接雨水が浸み込むようになってしまい、それが雨漏りの原因になることがあるのです。定期的なメンテナンスを行っていないと、土が不足してしまい、いつ雨漏りしてもおかしくない状態になっているケースも多く見られます。築年数が古くメンテナンスもしばらく行っていない場合は、瓦と土を取り除き、杉板を補修して防水紙を敷き、その上に瓦を載せれば雨漏りを防ぐことが可能です。

築年数が古い瓦屋根の家では、棟と瓦の間に漆喰を詰め込むことで雨水が侵入しないようにしています。しかし、雨風に晒されて漆喰が割れたり剥がれたりすると、雨水が漆喰の下の土に浸み込み、土が流れ出て棟が湾曲してしまうのです。こういった場合には、劣化した漆喰を取り除き、新しい漆喰の詰め直しが必要となります。棟がひどく変形して、瓦の割れが発生している場合は、その部分の瓦も交換することが必要です。

1980年代以降の家が雨漏りする原因と対策

瓦がずれたり割れたりすることが原因で雨漏りになることがあります。その場合、ずれた瓦を元の位置に戻したり、割れた瓦を取り替えたりするだけでは十分ではありません。浸食されてしまった部分についても補修することが必要です。瓦のずれや割れを長年放置していて、浸食された部分が広範囲にわたっている場合は、いったん瓦をすべて取り除いたうえで、野地板や防水紙を全部交換しなければならないこともあります。

瓦屋根の家には、屋根の棟と棟のあいだや壁と棟のあいだに板金が取り付けられています。ステンレスや銅など劣化しにくい素材が使われていますが、それでも剥がれたり、隙間が生じたりして雨水が侵入することがあります。その場合には、板金を新しいものに取り換えれば、雨漏りを防げます。

家を建ててから年月が経っていないのに雨漏りする家が増えてきています。その原因は、いくつか考えられますが、屋根の形が雨漏りしやすい形状になっている・勾配が不足している・軒がないことなどが考えられます。こういった外観の家がすべて雨漏りするわけではありませんが、雨漏りが起こりやすいリスクを抱えています。特に、陸屋根と呼ばれるフラットな屋根は雨水が屋根から流れにくく、軒もないため、雨漏りが起こりやすい形状と言えます。また、屋根の勾配があっても、角度が緩やかだと雨水が屋根にとどまる時間が長くなるため、雨漏りが起こりやすくなるリスクがあります。こういった家を建てた場合は、通常の家よりも屋根のメンテナンスに気を配らなければなりません。

瓦屋根の傷みを定期的にチェックすることが大切

瓦屋根は耐久性が高いのがメリットですが、丈夫であるが故に傷んでいることになかなか気づきにくいというデメリットもあります。瓦屋根の傷みに気づくためには、定期点検を行うことが大切です。築年数が古い家であれば、2階から1階の屋根の状態をチェックすることができます。チェックすべきポイントは、瓦がずれていないか、瓦が割れたり欠けたりしていないか、棟の漆喰がはがれていないかです。自分で目視によるチェックを行って大丈夫だからといって安心はできません。防水紙の経年劣化などは実際に瓦をはがしてみないとわからないですし、屋根に上がって確認しないとわからないこともありますので、屋根修理の専門業者に依頼して点検してもらうと安心です。

まとめ

瓦屋根が雨漏りする原因は、屋根の工法によっても異なりますが、考えられる原因がいくつもあります。雨漏りをすると家の構造に深刻なダメージを与えるため、なるべく定期的に点検をして、不具合に気づいたらなるべく早く対処することが必要です。自分でも目視でチェックできる方法はありますが、屋根に上がったり、瓦をはがしたりしなければ気づけないこともあるため、定期的に専門業者にチェックしてもらうとよいでしょう。