雨漏り調査を業者に頼むべき理由とは?

いつの間にかできていた壁や天井のシミ。それは、もしかしたら雨漏りが原因かもしれません。器用な人なら「自分で修理をしてしまおう!」と考えるかもしれません。しかし、雨漏りの原因を見つけるのは素人には難しいものです。見当はずれの補修をしても雨漏りはやまず、材料費も無駄になってしまいます。さらには、思わぬケガをして治療費がかかってしまうこともあるかもしれません。「もしかして雨漏りかな?」と思ったら、まずは業者に雨漏り調査を依頼してみましょう。

目次

雨漏りの調査ってどんなことをするの?費用は?

雨漏りの調査と費用は?

屋根やベランダ防水の劣化、外壁の割れ目、窓サッシのパッキンや雨どいの劣化など、雨漏りの原因はじつにさまざまです。どこからどのように雨が染みこんでいるのか原因を突き止めないと、建物は傷む一方です。では、業者に調査を依頼すると、どんな方法で雨漏りの原因を調べるのでしょうか。一般的な調査方法と費用を紹介します。

「目視調査」は、文字どおり目で見て確認する方法です。表面上には原因がわからない場合は、屋根材の一部を外すなどの解体が行なわれることもあります。目視調査は無料をうたっている業者も多いですが、屋根に上がるための足場などで費用が発生することがあります。雨漏りの原因箇所はひとつとは限らないため、多少費用がかかってもしっかり調査をしてもらったほうが良いでしょう。

「ファイバースコープ調査」は、小さな隙間や穴にファイバースコープを差し込んで行う方法です。人が入れない場所でも確認できる、解体をせずに調査できるといったメリットがあります。

「散水調査」は、雨漏りの原因と思われる箇所にホースなどで水をかけ、人工的に雨漏りを再現する方法です。ひとつの箇所で雨漏りが再現できない場合は、また別の疑わしい箇所へと繰り返します。簡単なようですが、技術と経験が必要な方法です。費用は3~15万円程度で、別途水道代がかかります。

より確実に原因を突き止めたい!その場合の調査方法

雨は、ほんのわずかな隙間からでも染みこんでくるものです。目視や散水調査で原因が特定できない場合、機材を使って調査する方法もあります。

「ガス調査」は、建物内部の雨漏り箇所から香り付きの空気をコンプレッサーで送りこみ、建物外部で香りを感じる場所を調べる方法です。マンションなど大型建物向きの調査方法 のため、一般家庭ではあまり利用されません。費用は10万円ほどかかります。

「紫外線投影発光(レインボービュー)調査」は、雨漏りの原因と思われる箇所にブラックライトに反応する検査液を流し込み、発光させることで原因を突き止める方法です。検査液の色を変えて、複数経路を特定することも可能です。あらゆる工法の建物に使用でき、比較的低コストで詳細な調査ができるというメリットがあります。費用は10~25万円程度が目安です。

「赤外線サーモグラフィー調査」は、赤外線カメラで建物を撮影し、建材の表面温度を測定する方法です。同じ建材なのに温度が極端に低い箇所があれば、そこが雨漏りの原因と考えられます。調査費用は18~30万円程度と高額ですが、建物に水をかけたり一部解体などの負担をかけることなく調査できたりするのは大きなメリットでしょう。また、高確率で原因を突き止めることができるのも、赤外線サーモグラフィー調査の特徴です。

失敗しない業者の選び方

調査を依頼して雨漏りの原因がわかったら、同じ業者で工事という流れになることでしょう。適正な費用でしっかりと修理してもらうために、信頼できる業者を選びたいものです。そこで、業者選びの段階で気をつけたいポイントをいくつかみてみましょう。

まずは、徹底した調査と丁寧な説明がされることです。雨漏りの原因特定は、プロでも見落とすことがあるといわれるほど難しいものです。建物の外周をささっと見るだけで終わらせる業者は信用できません。無料とうたっている調査でも費用が発生しそうなときは、事前に説明をしてくれること。調査結果を映像や写真で見せて説明をしてくれて、さらに書面で形にしてくれる業者なら、安心できるのではないでしょうか。

次に、見積もりが細かくわかりやすいことです。「〇〇工事一式」ではなく、材料や作業の内訳が細かく記載されているかが重要です。そして、質問に対して素人にもわかるように丁寧に答えてくれる業者は信頼できます。それだけの実績と経験、専門知識がある証拠です。また、「建築板金基幹技能者」や「雨漏り診断士」など、雨漏りのプロフェッショナルといえる資格があるかどうかも判断基準になります。

そして、工事後の保証がしっかりしていることも重要です。雨漏りの修理は、屋根の葺き替えや外壁塗装などの大掛かりな工事になる可能性もあります。もちろん費用も高額になるでしょう。工事後のアフターフォローをきちんと行う業者を選ぶことが大切です。保証内容や年数なども、書面で残してくれる業者がおすすめです。

まとめ

雨漏りは建物を傷めて寿命を削るだけでなく、ダニやカビを発生させて住んでいる人の健康をも蝕みます。また、漏電による火災を引き起こす原因にもなる恐ろしいものです。

雨漏りに気づいたら早急に修理するのはもちろんですが、雨漏りを未然に防ぐことができれば、より安心です。健康で安全な暮らしを守るためにも、数年に一度のペースで業者に雨漏り調査を依頼してみてはいかがでしょうか。