新築で雨漏りがした時には修理代を業者に請求できる?

新築住宅で雨漏りが生じた場合、一定の条件に当てはまれば、業者に対して無償で修理を請求することができます。業者に対して雨漏りの修理を請求できるのは、施工業者の施工ミスや手抜き工事などが原因の時です。
一般的に、購入した商品に欠陥がある場合、買主は売主に対して民法上の責任追求ができますが、新築住宅の場合はその影響の大きさから別に法律が定められ、より手厚く保護されています。この記事では、どのような場合に雨漏りの修理を業者に対して請求できるのかという点について解説します。

目次

そもそも新築なのに雨漏りすることはあるの?

新築

新築住宅で雨漏りが起きる原因は、自然災害による損傷と、施工ミスや手抜き工事など業者に原因がある場合の2種類に大きく分けられます。

たとえば、運悪く念願のマイホームを建てて間もないうちに大きな台風が来た結果、屋根が破損して雨漏りが起こるということもあり得ます。
このような自然災害が原因なら売主に原因はありませんので、業者に修理代を請求することはできません。

この場合は火災保険を使うことで、代わりの補償を得ることができます。
火災保険では通常、風災や雹(ひょう)災、雪災などの天災が補償の対象に含まれていますので、雨漏りとの因果関係を保険会社が認めてくれれば保険金を受け取ることができます。
保険会社から保険金を受け取ることができれば、修理代の全額あるいはかなり多くの部分をまかなうことができます。
火災保険は費用対効果も抜群なので、もしまだ入っていなければなるべく早めの加入をおすすめします。

施工業者による施工ミスや手抜き工事が原因の場合、売主に対する「瑕疵(かし)担保責任」、あるいは施工業者に対する「不法行為責任」の追求をすることができます。
瑕疵担保責任は住宅の引き渡しから10年、不法行為責任なら20年の間、業者に対して責任の追求ができますので、自然災害が原因でない雨漏りの場合は、こうした規定を活用することを検討しましょう。

売主の「瑕疵担保責任」とは?

瑕疵担保責任」とは、住宅の引き渡しが行われた後で、普通なら気が付かないような欠陥が見つかった場合に売主が負う責任のことです。
「瑕疵」とは欠陥のことを指す法律用語です。
民法570条には一般的な瑕疵担保責任が定められていますが、これは当事者の合意によってその期間を決めることができたため、売主に有利になるよう短く(おおむね2年くらい)設定されていることが多かったのです。

しかし、それでは買主の保護が十分ではないということで、平成12年4月から施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によって、新築住宅では売主の瑕疵担保責任を10年間とするよう定められました。
それより短い期間を契約書で定めても無効になります。

品確法で瑕疵担保責任を10年としているのは、「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」です。
雨漏りは「雨水の浸入を防止する部分」が該当するので、補償の対象となっています。
これにより、買主は住宅を買ってから10年間、施工ミスなどが原因で雨漏りが起きたなら、その修理を求めることができるわけです。

なお、10年の間に売主が倒産してしまうと、買主は修理を請求することができません。
そのため、新築住宅を引き渡した業者に対しては、過去10年間に引き渡した住宅の戸数に応じた保証金を法務局に供託するか、国土交通大臣の指定を受けた保険法人との間で、一定の要件に適合する保険に加入することが求められています。

施工業者の「不法行為責任」とは?

雨漏りの原因が施工業者の「不法行為」にあるとされる場合は、民法709条に基づいた不法行為責任を追求することができます。
この規定による責任が追求できるのは、建物としての基本的な安全性を損なうレベルの瑕疵があるようなケースです。

平成23年の最高裁判所による判決で、漏水は建物の基本的安全性を損なう行為であるとはっきり示されたので、最長20年間、損害賠償の請求ができるという考え方に変わりました。
この規定は瑕疵担保責任とは独立したものなので、瑕疵担保責任を追求できる期限である10年を超えていても関係ありません。
また、瑕疵担保責任は売主に対してしか追求できませんが、不法行為責任は売主だけでなく、設計や工事監理業者、建築業者に対しても追求できるので、より買主が保護された内容となっています。

ただし、不法行為による責任追及は被害者側が不法行為を立証することが必要なので、そう簡単にはいきません。
時間やお金がかなりかかりますし、訴訟に勝っても請求できる金額は補修に必要な最小限の金額でしかありません。
そのため、仮に不法行為が原因であったとしても、ちょっとした雨漏りなら訴訟を起こすより自己負担で直してしまったほうが良いという場合もあります。
この話はもっと重大な欠陥があるときの話としてとらえ、参考程度に覚えておけば十分でしょう。

まとめ

新築住宅で雨漏りがする原因はいくつかありますが、その多くは以上で挙げてきたとおり、カバーする手段があります。
新築した住宅に欠陥がある場合は基本的に10年間買主に修理を求めることができますし、天災が原因なら火災保険で対応できるケースが多いです。

新築住宅で雨漏りが起きたときは自費で直す前に、まずはその原因を調べてみましょう。