新築なのに雨漏りが……よくある原因と解決法

新築住宅であっても雨漏りが起きることはあります。新築住宅なのに雨漏りが生じる原因は、自然災害による損傷を除けば施工業者のミスや手抜き工事が考えられます。こうした場合、修理代を自分で負担する必要はありません。売主は買主に対してさまざまな責任を負っているからです。 しかし、権利は知らないと行使することができません。 この記事では、新築住宅で売主が原因で起きた雨漏りと、自然災害が原因で起きた雨漏りの解決法について解説します。

目次

新築なのに雨漏りがするのはどんな時?

どんな時?

新築住宅が雨漏りする原因として考えられるのは、台風や大雪などの自然災害による損傷か、施工ミスや手抜き工事により建物が引き渡し当初から欠陥があるような場合です。

いくら新築住宅でも、竜巻や強風の被害に遭えば屋根や雨樋などが損傷を受け、雨漏りの原因になることがあるのは言うまでもありません。
こうした理由が思い当たらないのであれば、住宅の施工ミスや手抜き工事を疑う必要があります。
欠陥住宅の話を時々ニュースで見かけることがあるでしょうがこうした話は決して珍しくなく、ひょっとしたら自身の住宅も被害に遭っているのかもしれません。

雨漏りの原因を特定するのは専門知識がないと難しいことが多いです。
施工業者による施工ミスや手抜き工事であったとすれば、目に見えないところに原因があるかもしれませんので、一般の人には判断が難しいでしょう。

新築住宅の場合、基本的に経年劣化(屋根材の風化による崩れやクギが浮いて穴が開くなど)による雨漏りの可能性は考えられません。
そのため、天災が原因でないと考えられるときは、売主に連絡を取って確認をしてもらうことが必要です。
新築住宅の買主はさまざまな法律で保護されているので、原因がはっきりしない段階で修理業者を呼ぶのは控えたほうが良いといえます。
費用負担なしで雨漏りを解消できる可能性があるからです。

新築住宅は法律で守られている

新築住宅の売主には「瑕疵(かし)担保責任」という責任があります。
「瑕疵」とは欠陥を意味する法律用語ですが、販売した住宅に買主が普通の注意を払っても気が付かないような欠陥がある場合、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。

新築住宅の売主は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によって平成12年4月1日以降に引き渡したすべての新築住宅に対し、引き渡しの日から10年間買主に対して瑕疵担保責任を負っているのです。
瑕疵担保責任については、品確法ができる前から契約で定められているのが普通でした。
しかし、その期間は2年程度であることが多く、買主の保護が十分ではなかったのです。

品確法は立場の弱い買主を、より手厚く保護するためにできた法律です。この法律で対象とされているのは「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」とされていますが、雨漏りは後者が該当します。
ちなみに、この責任は売主に落ち度がなくても負う必要があります。

なお、住宅を購入してから10年の間に売主が倒産する可能性もあります。そうすると、買主は雨漏りの修理を請求したくてもできません。
そこで、新築住宅の引き渡しを行う業者は「住宅瑕疵担保履行法」という法律によって、保険に加入するか供託金を積むことが義務付けられています。
これにより、買主は二重の保護を受けています。

自然災害が原因なら火災保険で対応できることが多い

自然災害が原因で生じた雨漏りであれば、火災保険の保険金で修理できることが多いです。火災保険で補償されるのは火災だけだと誤解している人も多いですが、火災保険で補償の対象となっているのは火災だけではありません。落雷や風災・雹(ひょう)災・雪災、水災(台風や豪雨など)などの自然災害も補償の対象に含まれています。
契約の内容によって必ずしも補償されているとは限りませんが、もし保険代理店のすすめにしたがってそのまま入ったのであれば、補償されている可能性が高いです。
火災保険はこれらのほか、盗難や他人にケガをさせてしまったときの賠償などについての補償もありますので、よく理解しておくと役立ちます。

加入している火災保険で風災や雪災などが補償されているかどうかは保険証券を見ればわかりますが、自身で見てもよくわからなければ、代理店に連絡して確認するのが早いです。
代理店は保険金の請求に必要な手続き方法や書類・写真などを把握していますので、自分一人で行うより速やかにできます。

なお、雨漏りの原因と天災に因果関係があると認められなければ、保険金は受け取れないので注意してください。
新築住宅ならあり得ないですが、単なる経年劣化が原因の雨漏りは補償されません。
あくまで保険は偶発的なトラブルに備えるものなので、将来の劣化に備えて保険に加入すれば良いと考えるのは間違いです。
経年劣化による雨漏りに備える方法は、定期的な点検と修繕です。

まとめ

もし、住宅を建てたばかりで自然災害のような心当たりがないのに雨漏りがしているとしたら、施行ミスなど売主側に原因がある可能性があります。

雨漏りは放置するとシミができますし、天井裏の木材や金属の腐食につながります。
また、シロアリの発生や漏電などにもつながる可能性があります。
そのため、気がついたらいつまでも放置せず、なるべく早めに対処するようにしましょう。