雨漏りの専門家に習う適切な対処方法

梅雨の時期や台風の後など、天井からぽたぽたと落ちてくる雨漏り。放っておくと家全体がジメジメとして湿気が溜まり、カビやシロアリの発生原因にもなります。ひどくなってくると健康にも害を及ぼすため、早めに対処をしなければなりません。雨漏りをしている所にバケツを置いて水を溜めるだけでなく、根本的な解決方法を知りたいものです。ここでは、雨漏りの原因や自分でできる対処方法、専門業者への依頼などについて紹介します。

目次

雨漏りの原因とは?

雨漏り

雨漏りには実にさまざまな原因があり、それらを特定するのは難しいのが現状です。一般的に雨漏りの直接的な原因としては、屋根のスレートのひび割れや浮き、コーキング剥がれ、漆喰の崩れ、谷桶のずれなどが挙げられます。これらの場所から雨水が侵入して雨漏りとなるのです。雨樋にゴミが溜まったままにしておいたり、鳥が巣を作っていたりなども水の流れを阻害してしまいます。

また、瓦屋根の場合は、台風で屋根がずれたり割れたりすると、その部分から水が侵入してきます。間接的な原因としては、強風や突風、地震などによって屋根が壊れた、新築時・リフォーム時の施工に不備があったなどが原因となりやすので、工事直後に雨漏りがするようなら、すぐに施工業者に連絡して対応してもらいましょう。

また、経年劣化も見逃せない原因の一つです。一般的に日本瓦の寿命は約60年、屋根に使用されるトタンは20〜30年程度と言われています。トタンは雨に濡れることで錆びやすく、錆びから穴が開くことも少なくありません。屋根のメンテナンスは20〜30年に一度は行うことが理想的です。それ以上になると、塗装の剥がれや錆が目立ってきて雨漏りの原因になりやすくなります。さらに、屋根だけでなくベランダや外壁から雨水が侵入してくるケースもあります。特に、サッシ枠と施されている防水シートの間に隙間がある場合、室内に雨水が侵入しやすくなります。

専門家直伝!自分でできる応急処置

専門業者に頼んだほうが安心な雨漏り修理ですが、業者に頼むまでの間や、とりあえず今困っている雨漏りをしのぎたいときなどには、自分で簡単な応急処置を施すことができます。まず、室内の雨漏りには、雨漏りをしている場所の下にバケツを置いて床や畳への浸水を防ぎます。雨漏り箇所に糸を結んだ釘を刺し、糸の端をバケツの中に入れると水の飛び跳ねを軽減することができます。また、天井にビニール袋を固定して1カ所に穴を開けると、水が飛び散らずにバケツの中に入っていくでしょう。窓やサッシからの雨漏りの場合には、すぐにカーテンを外して、雑巾で水滴を拭き取ります。

室外の対策としては、屋根にブルーシートを広げるのが効果的です。雨漏りの原因箇所を特定するのは難しいため、広範囲に広げられる大きめのものを用意すると安心です。接着テープや土嚢袋などの重しを乗せて固定しましょう。このとき、土嚢の中に細かい砂を入れると、雨で泥水となって流れ出すため注意が必要です。原因箇所が特定できた場合は、防水テープを貼ると手軽に雨漏りを防ぐことができます。

また、コーキング材とコーキングガンを使用してしっかりと防水するのもおすすめです。あらかじめ雑巾で汚れを拭き取り、周囲にマスキングテープを貼った後に、コーキング材を塗布します。乾く前にマスキングテープを取るのを忘れてはいけません。屋根での作業はとても危険なので、必ず2人以上で作業するようにしましょう。

雨漏りの原因を突き止めるのが解決の早道!

雨漏りが発生すると、なんとかして水の浸入を止めなくてはいけないと思いますが、実は雨漏りの原因を突き止めることが一番早い解決方法といえます。その場限りの一時的な対処法だけでは、雨が降るたびに雨漏りが再発することになりかねません。雨漏りが続くと家は傷み、家の寿命が短くなります。家の屋根だけでなく、壁や柱などが弱くなると、地震が起きたときの耐久強度が弱まることにもなります。

また、湿気からカビや菌が繁殖して、アトピーや喘息、アレルギー性気管支炎などを発症したり、湿気を好むシロアリが発生したりする可能性も高くなるでしょう。健康的で安全な生活を送るためにも、雨漏りを放っておくことはできません。

雨漏りの原因は実にさまざまなので、原因に合った適切な対処法が必要です。ただし、原因を突き止めるのはとても難しく、素人には無理な作業といわれています。また、雨で濡れている屋根に上るのも大変危険です。

雨漏りを発見したら、まずは専門業者に調査を依頼するようにしましょう。雨水がどこから侵入してくるのか、実際の漏れている箇所はどこなのかなどを特定することで、確実に修理をすることができます。専門家による検査としては、屋根や天井、室内をチェックする目視検査・実際に水を流して漏れ具合を調べる散水検査・建物の温度変化を調べて対処する赤外線サーモグラフィー検査などがあり、特に「外装劣化診断士」が在籍する業者に依頼すると確実で安心です。

まとめ

雨漏りが発生したら、被害が大きくならないうちにまずは自分で応急処置を施しましょう。
ブルーシートや防水テープなどは、ホームセンターで安く購入することができます。
ただし、素人には雨漏り箇所の特定や本格的な修理は難しいので、早めに専門業者に見てもらうことをおすすめします。
雨漏りを放っておくと家を傷めてしまうので、長く住み続けるためにも早めの対処が必要です。