雨漏り工事を依頼する際に注意すべきところ

雨漏りは、そこに住む人に大きなストレスを与えます。修理したいと思っても、修理業者の悪いうわさを耳にする機会も多いので、「誰に頼めば安心なのかわからない」と悩んでいる人もいるでしょう。また、「修理したばかりなのに再発した」というケースが珍しくないのも、雨漏り工事の特徴です。 穴をふさぐだけ、と思いがちな雨漏り修理は、実はとても難易度の高い工事です。ベテランでも失敗することがあるほどなので、料金が安いからという理由で業者を選ぶと後悔しがちです。 では、どんなところに注意して雨漏り工事を依頼すればよいのでしょうか。

目次

優良業者を見極めよう!

業者

雨漏り工事をするうえで、最も大切なのは慌てないことです。
悪徳業者の訪問販売では、「屋根を外から見たが放置すると危険だ」「早く工事しないと大変なことになる」などといって工事を勧めてくることがあります。
しかし、よほどのことがない限り、ただちに対処しないと家が崩れるということはないので焦らないでください。

雨漏り工事の成功のカギは、業者選びにあるといっても過言ではなく、じっくり時間をかけて選ぶことが何よりも大切です。
悪徳業者は、利用者を慌てさせ、クーリングオフする時間を与えずに工事に着手したがります。
契約を解約したいと言うと、法外な解約手数料を要求してくることもあるのです。

雨漏り業者を選ぶとき最初にすることは、評判のチェックです。
ホームページなどで口コミや評判を調べて、信頼できそうな複数の業者をピックアップしましょう。
雨漏り工事は失敗することもある難易度の高いものなので、過去の実績が判断の基準になります。
急な雨漏りにもスピーディに対処してもらえるように、地元密着型の優良業者を選ぶとより安心です。

次に、ピックアップした複数の業者に、見積もりを出してもらいます。
必ず複数の見積もりを取りましょう。
見積もりに書かれた項目は、工事の内容そのものを表しています。
見積書が詳細に書かれていて、かつ素人にもわかりやすいものであることが、信頼できる業者かどうかを判断する目安になるでしょう。
工事一式いくら、などと書かれている見積書は論外です。

きちんと調査して根本の原因を突き止めよう!

雨漏り工事をするうえで利用者が気になるのは、「雨漏りがきちんと止まること」「再発しないこと」「費用」の3点ではないでしょうか。
一つずつ見ていきましょう。
雨漏り修理を依頼するのですから、雨漏りが確実に止まらなければ困ります。
ところが、雨漏りの根本の原因を突き止めるのはそう簡単ではありません。
雨水が入ってきている個所だけをふさげばよいというものではないのです。
根本の原因を改善しないことには、別の個所で再び雨漏りしてしまう可能性も高いでしょう。

きちんとした業者であれば、どこが根本の原因なのかを突き止めるため、さまざまな調査を行うのが通常です。目視による調査はもちろんのこと、屋根などを外して内部を確認する「解体調査」や、疑わしい箇所に水をかけて雨漏りを再現する「散水調査」は、最低でも実施しておくと安心です。
紫外線を受けると発光する特殊な薬剤や赤外線サーモグラフィを使って、雨水の通り道を突き止める方法もあります。

こうした調査では、利用者自身が体験した雨漏りの情報が原因究明に役立ちます。
そのため、雨漏りの発生場所や発生頻度、雨漏りしたときの風雨の状態を記録しておくと良いでしょう。

ところが、悪徳業者のなかには「屋根に登らなくてもわかる」などといって、きちんと調査しないケースがみられます。
また、利用者自身が屋根に登って確認できないのをいいことに、あいまいな説明をすることもあります。
利用者が行けない箇所でも、写真や動画などを使って丁寧に説明してくれる業者でなくては信頼できません。

再発しても対処してくれる業者を選ぼう!

雨漏りの原因を突き止めて、適切な対処をするのはとても難しいため、ベテランでも失敗することがあります。
そうした場合でも、1年間保障などのサービスをしている業者なら安心です。
住まいに近い業者であればこまめに対処してもらえるので、地域密着型の業者を選ぶと良いでしょう。

雨漏り工事では、費用も気になるところです。
雨漏りが自然災害によるものなら、火災保険で対処できることがあります。
ただし、経年劣化による雨漏りは対象外です。
どんな雨漏りでも火災保険でまかなえるとは限らないため、「火災保険を使えば無料」などとうたっている業者には要注意です。

また、新築住宅の雨漏りの保障期間は、法律で10年と定められています。
そのため、築年数10年未満の住まいで雨漏りが起きたなら、施工不良の確率が高いのです。
施工会社が住宅瑕疵担保責任保険に加入していれば、無料で対応してもらえる可能性もあります。

雨漏りの修理は、コーキングで対処できるものから大掛かりな工事になるものまで幅広く、かかる費用もまちまちです。
けれども、屋根全体のふき替え工事が必要な場合などを除けば、10~30万円程度におさまるのが一般的です。
見積もりで50万円以上請求されたときは、考え直す必要があるかもしれません。
ただし、屋根部分の傾斜が急な建物などでは、工事をするのに足場を組む必要が出てくるため、費用が高くなりがちです。

まとめ

雨漏りに気づいたら、まずはじっくり信頼できる業者を探しましょう。
いきなり家が崩れるようなことはまずないため、慌てる必要はありません。
悪徳業者に急かされて、調査もしないで工事を始めるのは絶対に避けたいところです。

雨漏りを修理しても、再発の可能性はゼロではないので、一定期間保障してくれる業者を選ぶと安心です。
過去の実績や口コミをチェックして、複数の見積もりをとることから始めましょう。